日曜日は京都で鍼灸のお勉強です。
京都はいつ来てもいいですね。
町をぶらぶらするだけで、
古民家を民宿にした素敵な京町家がさらっとあります。
なぜヘルニアが鍼灸で治る可能性があるのか?
電話でこんなお問い合わせを頂きました。
『ヘルニアで病院へ通ってるのですが良くなりません。鍼灸で治りますか?』
答えは、
『治る可能性があります。』
です。
なぜそう言えるのか?
今日はその理由をご説明させて頂こうと思います。
その前に、ちょっと話がそれますが、お付き合いを・・。
脈で体の状態がわかります。
私の学会では、手首の脈を通して体の状態を見ています。
走った後に心臓がドキドキして脈が速くなるのはイメージしやすいかと思います。
脈が速いと、
- 体が緊張しているな。
- 呼吸が乱れて酸素が取り込みにくいかも?
- 体のどこかに熱があるのでは?
逆に遅いと、
- 今日は体がダルイのかな?
- 眠いのかな?
- 足腰が冷えているのかも?
なんてことを考えながら、
皆様の体調に合わせてツボを決めます。
本当は、もっとたくさんあるのですが、そのルーツは2000年前の古典に遡ります。
死ぬ時の脈が正常?
古典の名前を『難経(なんぎょう)』と言います。
目次を付けると81項目。
その8番目。
難経八難には、
『死ぬときの脈がどうなるのか?』
について書かれています。
皆さんは、人間が死ぬ時は、どんな脈になると思いますか?
苦しくてドキドキするから早くなる?
逆に、生きる力がないから、遅くて弱々しい脈になる?
難経には、なんと、
『正常(平脈)になる。』と書かれています。
???ですよね。
なぜ、もうすぐ死ぬかも知れないのに正常なんでしょう?
そこには、東洋医学独自の捉え方があります。
東洋医学の世界観を説明するために、西洋医学と比較してみます。
西洋医学の健康とは何でしょう?
西洋医学では数字で正常値を決めて、
その範囲の中に入るものだけを『健康』と呼んでいます。
本人が元気でも、数字が正常値に入らなければ、不健康=病気です。
これって、ちょっと違うと思いませんか?
一方、東洋医学に正常値と言う概念はありません。
個々の良い状態は個々によって違うからです。
例え、健康診断で正常値に入らなくても、
- 美味しくご飯が食べれて、
- 好きな所に出掛けられて、
- 笑顔が出れば、
東洋医学では健康と捉えます。
では、東洋医学では、どんな時に病気と言うのか?
それは、『変化のない状態』。
つまり、停止を意味します。
常に変化していることで健康を保つことができます。
川の水は流れているから綺麗です。
石やゴミで水が流れなくなると、
川が濁り、そこにいる魚は死んでしまいますよね。
ですので、流れている(変化している)ことが重要となります。
人間も同じで、常に変化していることで健康を保つことができます。
カラダの変化と食事。
少し哲学的な固い話になりましたので、
イメージし易い様に、『変化』を食事でご説明しますね。
まず、胃袋が空になると言うカラダの変化が起こります。
胃袋が空になるとお腹が空くので食事をします。
食事によって、食べ物が胃袋に入ります。
胃袋が刺激された変化によって、消化と言う胃腸の働きが生まれます。
胃腸の働きによって、栄養がカラダに吸収されます。
そして、元気なります。
これらは、全てカラダの変化がもたらす人間の行動です。
カラダの変化がない止まった状態だと食事すら摂りません。
とても不健康です。
食べないと死んでしまいますもんね。
変化ナシは究極の不健康
少し遠回りしましたが、さっきの脈の話に戻します。
死ぬときは正常な脈になる?
でしたね。
正常な脈とは、
つまり、どこにも変化のない脈と言うことです。
体のどこにも変化がない状態は究極の不健康。
つまり、死と言う捉え方です。
分かったような、分からない様な・・。
そんな感覚が東洋医学の面白い所です。(笑)
『結論』
今までの常識とは違った視点を持つ東洋医学。
常識に捕われない治療法だからこそ、
常識の範疇でしか治療してこなかった病気が、時に劇的に治ったりします。
視点を変えてアプローチできる強みが鍼灸にはあります。
同じことをしていても前には進みません。
時に視点を変える柔軟性も大切です。
まだまだ、ご紹介したことはたくさんありますが、またの機会に・・。
『ヘルニアが鍼灸で治りますか?』
少しは回答になりましたでしょうか? ^_^
奈良市鳥見町3-11-1-56-106
tel : 0742-46-3311
こじま富雄団地接骨院